お盆真っ只中、国立科学博物館へ伺った。地球の誕生から勉強し、生物の進化の不思議に自身の祖先に思いを馳せる。 思いのほか集中してしまい、気がつくと閉館時間になってしまった。 上野公園をブラブラ歩きながらの帰路。 このまま帰るのは、もったいない。ちょっと軽く呑みたい気分だ。 「焼き鳥で一杯したいねぇ」 上野界隈で焼き鳥の美味い店といえば、「鳥恵」だが、ふらっと入れるほど簡単な店ではないので、親子丼で有名な「伊勢ろく」ならどうかと飛び込んでみる。 「ご予約されてますか?」 「いえ、してませんが・・・」 「すみません、今日はご予約のお客様でいっぱいです。」 チーン・・・。 すぐ隣にある、肉料理が美味い「飴家」でも良いかとも思ったが、 こうなると、是が非でも焼き鳥が食べたくなるのが心情である。 様々に調べて、電話予約してみる。 入ったことのない焼き鳥屋さんだが、近いので湯島方面の焼き鳥屋さんに決めた。
串焼専門店 山鶏 湯島本店 東京都文京区湯島3-38-10ハニービル3F電話:03-6803-0290定休日:不定休営業時間:17時~24時、土日祝17時〜24時 御徒町方面からドン・キホーテの手前、甘味処みつばちの3階であるが、知らないと通り過ぎてしまいそうだ。 同じビルの7階には、支店の「山鶏ハナレ」があるようだ。 私感として、本店のすぐ近くに支店のある店はハズレが少ない。 店内に入ると ワイワイガヤガヤ、分かりづらい店の割にほぼ満席で、賑やかである。 暑い中歩いたので、まずは生ビールにだだちゃ豆で様子を伺う。 思っていた以上に喉が渇いていたのか、一気に飲み終えてしまったので日本酒メニューを確認。 徳利で出してもらえるかの確認も完了。 一杯目は、鶴齢 純米吟醸をいただき、追加で鳥わさ。
ささ身の表面が白くなる程度に火を通し、中はほとんどレア状態、山葵醬油で和えておらず、刺身のような状態で提供された。うん、美味い。 今日のマイぐい呑は、小島直喜作 斑唐津ぐい呑。 さてメインの焼鳥であるが、私の中で焼鳥の良し悪しポイントは、「レバー」と「ねぎま」である。これが美味い店は何を食べても美味いはずだ。この2串は、肉の新鮮さと焼きの腕が一番出るものだと思っている。 基本に忠実にまずは、ここから。 ここのレバーは、なんと貴重な白レバーだそうで楽しみである。 「白レバー2本にねぎまください」 「お味はお任せいただいてよろしいですか?」お?初めての返しだ。よほど自信があるとみた。 「はい、お任せします」実に楽しみだ。 まずは白レバーが登場。
実に艶やかで、ぷるんとしていて光沢がいい。 これは、もしかしてごま油? 口に入れると、表面は熱々で柔らかい。クセもなく口の中で溶けていく。しっかりと温かいが、中はほぼレア状態のトロトロ。 鼻に抜けるごま油の香り、この食感と味は、まるで禁断のアレだ。 ウフフフ、ウマイ。 間髪入れず、ねぎまが焼き上がる。これはタレで登場。
肉質、焼き共になかなか良い。タレは少し醤油が立ったっており味は嫌いじゃないが、粘度が高めでまとわりつく感じがあまり好きではない。もう少し、さらっとしてるとベストだが、個人的な好き嫌いレベルだ。全体的には悪くない。 鶴齢も空いたところで、田酒純米吟醸山廃仕込みにチェンジ。 串も追加で、ぼんじり、もも、手羽先をオーダーする。 「ももは、大山地鶏と真田丸から選べますが、いかがしましょう」サナダマル?ナンダソレ? 真田丸なんて鶏は初めて聞いた。その名の通り信州上田で生産される地鶏のようだ。 「大山地鶏はよく見るので、真田丸でお願いします。」チャレンジ。 三本同時に焼きあがる。
まずは、真田丸を攻めてみる。 表面はカリッと焼かれて、噛むと跳ね返してくる弾力が強い。しかし、スジ張ってるわけでもなく肉のキメは細かい。旨味も強く、油少なめ弾力強めの野性味のある肉だ。これ美味い。真田丸正解。 手羽先は、開かれて皮面はパリパリで美味いが、肉が薄く若干パサついて少々残念だ、これはたまたまのバラつきだと信じたい。 最後に、ぼんじり。表面はカリッとして中はゼラチン質と油でジューシー。よく軟骨が歯に当たるが、このぼんじりには皆無である。まるでマルチョウを食べているような錯覚をするほどジューシーで、小躍りしそうなほど美味い。エクセレント。 この店、期待以上かもしれない。
締めに、「ウニと夏トリュフの卵かけ御飯」を頂きたかったが、本来は「ハナレ」のメニューで、今日はあいにくお盆休みにしているので、対応できないとの事。残念だ。 今日は、期待以上の店を発掘できた喜びと、次回への課題(卵かけ御飯)を残してフィニッシュ。 ごちそうさまでした。 今日の「マイぐい呑ライフ」に乾杯。